

予防目的で隔日投与しても、発作当日はナルティークを追加できず、1日75mgを超える投与は禁止です。
ナルティークOD錠75mg(一般名:リメゲパント硫酸塩水和物)は、2025年9月19日に承認、同年11月12日に薬価収載、そして2025年12月16日に発売されました。 製造販売元はファイザーで、急性期治療と発症抑制(予防)の両方の効能を持つ国内初の経口CGRP受容体拮抗薬です。 passmed.co(https://passmed.co.jp/di/archives/19742)
薬価算定には類似薬効比較方式が採用されており、既存の抗CGRP抗体注射薬(アイモビーグ・エムガルティなど)の1日薬価を基準に設定されています。 急性期にも使用できる点が加算の根拠となり、既存注射薬と比べてわずかに高い1日薬価1,461.60円に落ち着きました。 海外との比較では、米国での価格(1錠約18,353円)に対し、日本の薬価2,923.20円は大幅に低く設定されているのが現実です。 himuro-clinic(https://himuro-clinic.com/2026/01/16/nurtec/)
参考リンクとして、薬価算定の詳細な経緯・比較薬効分析を確認できます。
パスメド:ナルティーク(リメゲパント)の作用機序・薬価収載情報まとめ
予防目的で隔日投与を行った場合、1ヶ月に必要な錠数は約15錠です。 薬剤費ベースでは月額約43,848円、3割負担で約13,150円の自己負担になります。 この金額は、アイモビーグ(エレヌマブ)やエムガルティ(ガルカネズマブ)といった既存の抗CGRP抗体注射薬の3割負担分(月約12,000〜13,000円)とほぼ同水準です。 himuro-clinic(https://himuro-clinic.com/2026/01/16/nurtec/)
つまり経口薬であるメリットがありながら、費用感は注射薬と変わりません。
| 薬剤 | 剤形 | 薬価(月換算) | 3割負担(月) |
|---|---|---|---|
| リメゲパント(予防) | 経口OD錠 | 約43,848円 | 約13,150円 |
| 抗CGRP抗体注射薬 | 皮下注射 | 約40,000〜45,000円 | 約12,000〜13,500円 |
注射が苦手な患者や自己注射が難しい高齢患者には、経口薬という選択肢の意義は大きいでしょう。 費用対効果の観点では、患者アドヒアランスの改善によって受診回数・追加処方が減るケースも想定されます。 ito-pain(https://ito-pain.com/blog/post-912/)
発売後1年間は処方日数が「2週間分まで」に制限されています。 これは新薬の市販後安全性監視を目的とした薬価収載時の標準的な制限であり、リメゲパントに特有の問題ではありません。 加えて、30日間で最大18錠という上限も設定されており、この2つの制限が同時に適用される点に注意が必要です。 neurosurgery(https://www.neurosurgery.tokyo/blog/%E7%89%87%E9%A0%AD%E7%97%9B%E3%81%AE%E8%96%AC%E3%80%81%E9%A0%93%E7%94%A8%E3%81%A8%E4%BA%88%E9%98%B2%E3%81%A9%E3%81%A1%E3%82%89%E3%81%8C%E6%AD%A3%E8%A7%A3%EF%BC%9F/)
実務上は2週間ごとの処方・来院サイクルになります。
予防目的の隔日投与では1ヶ月に約15錠が必要なため、18錠上限にはほぼ達しません。しかし急性期頓服との併用パターンを考えると、発作頻度が高い患者では18錠を超えるリスクが生じます。 処方前に「当月すでに何錠分処方済みか」を確認する運用フローを院内で整備しておくことが、過誤防止につながります。 labeling.pfizer(https://labeling.pfizer.com/ShowLabeling.aspx?id=21841)
発症抑制目的で投与中の当日に片頭痛発作が起きた場合、追加投与は禁忌です。 1日総量75mgを超えてはならないというルールが根拠で、患者へ事前に説明しておかないと「薬を飲んでいるのに発作時に使えない」という混乱を招きます。 ito-pain(https://ito-pain.com/blog/post-912/)
ファイザー:ナルティーク添付文書(用法用量・注意事項の原文確認に使用)
予防目的で月15錠を継続処方する場合、薬剤費だけで月43,848円です。 年間では約52万円を超える計算になります。 診察料・調剤料を加えると、一定の患者層で高額療養費制度の自己負担上限(標準的な所得区分で月57,600円)に近づくケースが出てきます。 himuro-clinic(https://himuro-clinic.com/2026/01/16/nurtec/)
知っておくと助かる情報です。
高額療養費制度の「多数回該当」ルールでは、同一世帯で3ヶ月連続して上限額に達すると、4ヶ月目から自己負担上限がさらに引き下がります(同区分で月44,400円)。 慢性的な片頭痛で長期処方が見込まれる患者には、処方開始時にこの制度を案内しておくことが患者満足度の向上に直結します。 限度額適用認定証の申請を患者自身がしていないケースは多く、医療従事者側からの一声が大きな差を生みます。 himuro-clinic(https://himuro-clinic.com/2026/01/16/nurtec/)
また、リメゲパントはジェネリック医薬品が存在しない新薬です。 先発品のみのため薬価交渉の余地がなく、当面はこの薬価水準が維持されます。患者の経済的負担を長期視点で管理するには、高額療養費・付加給付制度の積極的活用を支援する体制が求められます。 himuro-clinic(https://himuro-clinic.com/2026/01/16/nurtec/)
既存のトリプタン系薬剤(スマトリプタンなど)との薬価差は約10〜20倍に上ります。 スマトリプタン錠50mgの薬価が1錠約140〜160円であるのに対し、リメゲパントは1錠2,923円です。 この差が「なぜリメゲパントを選ぶのか」という処方根拠の明確化を医療従事者に求めています。 passmed.co(https://passmed.co.jp/di/archives/19742)
選択基準は明確にしておく必要があります。
リメゲパントの優位性が発揮されるのは、①トリプタン無効例、②血管収縮禁忌(虚血性心疾患・脳血管障害既往)の患者、③急性期治療と予防を1剤で管理したい患者、の3パターンです。 漫然と処方するのではなく、これらの適応患者像を絞って使用することが、費用対効果の観点からも合理的な運用といえます。 neuro-machida(https://neuro-machida.jp/blog/post-349/)
ファイザーはナルティークのピーク時売上として218億円を見込んでいます。 この予測が示すように、今後の片頭痛治療における中心的な選択肢になることが想定されます。医療従事者として薬価・適応・制限を正確に理解したうえで処方方針を組み立てることが、患者の治療継続率と医療経済の両立につながります。 answers.and-pro(https://answers.and-pro.jp/pharmanews/31508/)
ファイザー公式プレスリリース:ナルティーク発売・適応・販売見込みの公式情報