パススルー課税構成員課税の基本解説

パススルー課税構成員課税の基本解説

パススルー課税構成員課税の仕組み

パススルー課税構成員課税のポイント
💰
二重課税回避

法人段階での課税を避け、構成員のみに課税

📊
柔軟な損益分配

出資比率と異なる損益分配が可能

⚖️
組合課税の適用

LLPや任意組合などに適用される特殊課税

パススルー課税構成員課税の基本概念

パススルー課税(構成員課税)とは、法人や組合などにおいて発生した利益に対し、直接当該の法人や組合には課税されず、その利益の配分を受けた出資者、構成員等に課税される制度です。別名「構成員課税」とも呼ばれ、投資ファンドなどでキャピタルゲインや配当金などの利益を得た場合の特殊な課税方法として用いられています。
通常の株式会社では、企業の利益にまず法人税が課税され、その後、株主への配当にも所得税が課されるため、二重課税が発生します。例えば、1,000万円の利益に40%の法人税400万円が課されると、残り600万円が分配対象となります。さらに投資家の分配金に40%の所得税が課されると、最終的に投資家が受け取るのは360万円となります。
一方、パススルー課税では、1,000万円の利益に対して法人税は課されず、構成員である投資家個人のみに40%の所得税が課されるため、600万円を受け取ることができます。この結果、通常の課税方法と比較して240万円もの差が生じることになります。

パススルー課税構成員課税の適用対象

パススルー課税が適用されるのは主にLLP(Limited Liability Partnership=有限責任事業組合)です。LLPの性格は民法上の組合の特例とされ、法人格は有さないため法人税も課税されません。有限責任事業組合では、組合契約で定めた会計期間に従って利益額の計算を行い、その利益を組合員に対して分配します。
また、任意組合や民法上の組合もパススルー課税の対象となります。任意組合の場合、所得区分は任意組合の所得の種類に合わせることになり、複数の任意組合の組合員になっている場合は、組合ごとに決算書を作成する必要があります。
投資法人については、配当可能利益の90%超を分配する等の要件を満たす場合は、配当等の額を損金算入するとの取り決めがあり、条件を満たした場合には結果的に法人税は課税されません。これは実質上パススルー課税と同様であるため、投資法人に対しても「パススルー課税」の語が使われることがあります。

パススルー課税構成員課税の税務処理方法

パススルー課税における税務処理には、総額方式、中間方式、純額方式の3つの方法があります。組合の損益状況を組合員が自らの損益計算の中に持分相当で取り込むことになりますが、税務上では中間方式及び純額方式を採用した場合に否認される事項が一部存在するため、会計処理と税務上の処理が相違する場合があります。
組合員の所得計算は総額方式のみ(ただし、出資割合と損益分配割合が異なる場合は中間方式)とするのが相当とされており、現物出資資産の含み損益については、組織再編税制に準じて課税の繰延べを認めるのが適当であると考えられています。
税務上で特に留意すべき事項として、損失の取込限度額が規定されている点があります。組合はパススルー税制を採用する結果、利益だけでなく損失についても組合をパススルーし組合員の課税所得に反映されますが、課税の繰延べを目的とした航空機等への投資が行われたことを受けて、その繰延べスキームの対策として損失の取込限度額が規定されることになりました。

パススルー課税構成員課税のメリット・デメリット

パススルー課税の主なメリットは、二重課税の回避です。通常の法人と異なり、パススルー課税では収益がオー