
クレジットカード決済を店舗に導入する際、最も気になるのが決済手数料です。この記事では、主要な決済サービスの手数料を比較し、最もお得なサービスを紹介します。端末タイプ別に分けて、それぞれの特徴や料金体系を詳しく解説していきます。
クレジットカード決済の手数料相場は、カードブランドによって異なります。2025年現在の相場は以下の通りです。
注目すべきは、JCB系の決済手数料が以前は3.74%〜3.95%だったのに対し、現在は2.48%〜3.24%と大幅に引き下げられている点です。
また、決済ブランドの国内シェアも把握しておくと良いでしょう。
カードブランド | 国内シェア |
---|---|
VISA | 50.8% |
JCB | 28.0% |
MasterCard | 17.8% |
AMEX | 3.1% |
その他 | 0.3%以下 |
VISA、JCB、MasterCardの3ブランドで国内シェアの96.6%を占めているため、この3つのブランドに対応することが重要です。ただし、高単価商品を扱う店舗ではAMEXにも対応することで、富裕層の顧客獲得につながる可能性があります。
オールインワン端末とは、1台でクレジットカード、電子マネー、QRコード決済などに対応できる端末です。主要なサービスを比較してみましょう。
決済手数料だけで比較すると、stera packが最も安いですが、月額費用がかかるため、月間決済額が少ない場合はSquareの方がトータルコストで安くなる可能性があります。具体的には、月間決済額が26.3万円以下の場合はSquareの方がお得です。
また、stera packは年間決済額2,500万円を超えると手数料が上がる点にも注意が必要です。その場合、月間決済額が61.1万円以上あれば依然としてstera packが有利ですが、それ以下ならSquareの方がコスト面で優位になります。
モバイル端末は、スマートフォンやタブレットに専用のカードリーダーを接続して使用するタイプの決済端末です。主要なサービスを比較します。
モバイル端末では、STORES決済のスタンダードプランが最も安い決済手数料(1.98%〜)を提供していますが、月額3,300円がかかります。月額費用がかからないサービスでは、楽天ペイのライトプランやエアペイのディスカウントプログラム適用時(いずれも2.48%〜)が最安となります。
各社が提供する低料率プログラムには、いくつかの共通した条件があります。主な条件は以下の通りです。
これらの条件を満たすと、各社の低料率プログラムが適用され、決済手数料を大幅に抑えることができます。例えば、stera packのスモールビジネスプラン、エアペイの決済手数料ディスカウントプログラム、JMSの中小企業応援プログラムなどがあります。
また、Squareでは年間決済額が3,000万円を超える場合、個別交渉により低料率で利用できる可能性があります。これは他社にはない特徴で、売上規模が大きい場合はSquareに問い合わせてみる価値があるでしょう。
決済手数料だけでなく、以下のコストも考慮して総合的に判断することが重要です。
特に注目すべきは、stera packの解約違約金です。3年未満の解約には最大88,000円の違約金が発生しますが、2024年3月末までに申し込んだ場合、解約から45日以内に端末を返却すれば免除されるキャンペーンを実施しています。
また、入金サイクルも重要な要素です。資金繰りが厳しい事業者は、最短翌日入金に対応しているSquareや楽天ペイが有利でしょう。
2025年以降のキャッシュレス決済の動向を見据えると、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、決済手数料の低下傾向が続いています。以前は中小事業者でも4〜7%の手数料が珍しくありませんでしたが、現在は1〜3%程度まで下がっています。特に2024年11月から12月にかけて、各社が中小事業者向けの低料率プランを相次いで導入しました。
また、QRコード決済の普及も進んでいます。特にPayPayなどのQRコード決済は若年層を中心に利用が拡大しており、対応することで新たな顧客層を獲得できる可能性があります。Squareでは最近、PayPayを含む7種類のQRコード決済に一括対応できるようになりました。
さらに、スマホ決済の簡易化も進んでいます。stera tapやSquareの「スマホでタッチ決済」など、専用端末不要でスマートフォンだけで決済を受け付けられるサービスが登場しています。これにより、イベント出店や小規模事業者の参入障壁が下がっています。
資金調達の選択肢も広がっています。Squareでは「スクエア資金調達」というサービスを提供しており、15,000円〜3,000万円の範囲で事業規模に応じた資金調達が可能です。これは融資ではなく、売上からの一定割合で返済する仕組みのため、事業計画書などの書類提出が不要で手続きが簡単です。
以上の動向を踏まえると、単に決済手数料だけでなく、将来的な拡張性や利便性も考慮してサービスを選ぶことが重要です。
各サービスを総合的に比較した結果、以下のような結論になります。
オールインワン端末の場合:
モバイル端末の場合:
業種・規模別のおすすめ:
決済手数料は事業の収益性に直接影響するため、慎重に選ぶ必要があります。ただし、手数料だけでなく、月額費用、端末費用、入金サイクル、解約条件なども含めて総合的に判断することが重要です。また、各社のキャンペーンは頻繁に変更されるため、申し込み前に最新情報を確認することをおすすめします。
最終的には、自店舗の規模や取扱商品、顧客層、月間決済額などを考慮して、最適なサービスを選びましょう。また、将来的な事業拡大も見据えて、拡張性のあるサービスを選ぶことも大切です。