

JALカードとANAカードの比較で最初に確認したいのは、表面の年会費だけでなく「実質コスト」です。
一般カード帯はどちらも年会費が近い水準に見えますが、ANAは「ポイントをマイルに移行するためのコース(手数料)」が別に発生しやすい設計があり、ここが見落とされがちです。
ANAカードの年会費・カード種類・移行手数料の全体像(一般/ワイド/ワイドゴールド/プレミアムの構造)
一方で、ANA側は「ワイドゴールド以上だと移行手数料が実質無料扱いになる(コースが自動付帯)」という整理もでき、年会費が高くても“移行コスト込み”で見れば納得しやすい層があります。
10マイルコース(2倍コース)とワイドゴールドの手数料条件の説明
では、年会費をどう判断するか。結論はシンプルで、次のどれに近いかで決まります。
意外に効くのが「更新・継続ボーナス」の存在です。単年の損得ではなく、2年目以降に“毎年もらえるマイル”があるため、年会費の一部がマイルで返ってくる設計になっています。
ANAカードの継続ボーナスマイル(例:一般1,000/上位ほど増える)
「還元率」は比較記事で必ず出てきますが、JAL/ANAの本質は“数字そのもの”よりも「どう貯まるか」の違いです。
JALカードはカード利用でJALマイルが直接貯まりやすい一方、ANAカードはカード会社ポイントが貯まり、そこからANAマイルへ移行する流れが多いと整理できます。
JALは自動でマイル、ANAはポイント→マイル移行が基本という説明
この差は、家計管理にも効きます。ポイントが分離すると、残高が見えにくくなり「気づいたら失効」「移行し忘れ」を招きやすいからです。
還元率の話をもう一段だけ深掘りすると、重要なのは次の3点です。
ここで「あまり知られていない落とし穴」を1つ入れると、還元率の比較は“税抜/税込、ポイント単位、交換単位”で体感がずれます。例えば、ポイントが200単位ごとにしか移行できない設計だと、端数が寝たままになりがちで、見かけの還元率より下がることがあります(実際の運用で差が出るポイントです)。
そのため、数字比較をするときは「1年で使う金額」「移行単位」「移行タイミング(まとめて移行できるか)」まで一緒に決めると失敗しにくいです。
ANAは移行タイミングを設計できる(ポイント→マイル)という前提の説明
飛行機に乗る人ほど効いてくるのが「搭乗ボーナス」と「入会・継続ボーナス」です。
ANAカードはカード種別で搭乗ボーナスが段階的に増え、一般は10%、ワイド/ワイドゴールドは25%、プレミアムは50%という整理ができます。
ANAカードの搭乗ボーナス一覧(一般10%/ワイド25%/プレミアム50%)
つまり、同じ距離を飛んでも「カードの階級」で獲得マイルの伸びが変わるので、出張や帰省が多い人はここが効きます。
一方で、JAL側の搭乗ボーナスは「入会後の搭乗から適用」で、さかのぼって積算できない点が公式FAQで明確です。
JALカード搭乗ボーナスは入会日以降の搭乗から適用(遡り不可)
この仕様は、例えば「来月に長距離フライトがあるから、その後に申し込もう」という行動が、そのまま損につながり得ます。
“申込→カード到着→会員番号の紐づけ”のタイミングで積算条件が変わることがあるため、搭乗予定が見えている人ほど発行タイミングが重要になります。
入会搭乗ボーナス/毎年初回搭乗ボーナスの積算条件の注意
また、意外に効くのが「特典航空券など、そもそもマイル積算対象外の運賃がある」という点です。ボーナスマイル目的でカードを作っても、使う運賃が対象外だと想定より増えません。
特典航空券などマイル積算対象外運賃はボーナスも対象外の注意
陸でマイルを作るなら、「特約店(上乗せ)」は搭乗より効率が良い場面が多いです。
ANAには「ANAカードマイルプラス」という提携店枠があり、店舗によって100円または200円につき追加で1マイルが加算される、といった上乗せ設計があります。
ANAカードマイルプラスの仕組み(提携店で加算)
さらに、日常で使いやすい提携店として、セブン-イレブン、スターバックス、マツモトキヨシ等が挙げられています。
日常で使えそうなANAカードマイルプラス提携店の例
ここは「どっちのカードが優秀か」というより、生活導線に合うかで勝敗が決まります。
あまり知られていない視点としては、「上乗せの“対象外取引”」です。例えば、同じ店舗でも一部の支払い方法(電子マネー、QR、商品券など)では上乗せ対象から外れることがあり、レジでの支払い手段で期待値が変わります。提携店を武器にするなら、支払い方法まで固定して、毎回同じルートで積むのが安定します。
検索上位の多くは「結局どっち?」で1枚決めを促しがちですが、実務的には2枚持ちが合理的なケースが珍しくありません(これを独自視点として掘ります)。
理由は、飛行機は「毎回同じ航空会社に乗れる」とは限らず、時間・料金・路線でJALとANAが入れ替わるからです。すると、片方のカードだけだと、搭乗ボーナスや提携優待を取りこぼしやすくなります。
JAL/ANAを複数項目で比較し、使い方で最適が変わる旨の整理
2枚持ちを“意味のある戦略”にするコツは、役割分担を明確にすることです。
さらに現実的な話として、2枚持ちは「年会費がダブルで発生する」ので、やるなら“どちらかは軽い年会費帯”に寄せるのが定石です。
そして、搭乗予定がある人は「JALは入会前の搭乗は対象外(遡れない)」という公式条件があるため、発行タイミングだけは先に押さえるのが損を避けるコツです。
搭乗ボーナスの適用タイミング(入会日以降)の注意
最後に、記事読者が最短で判断できるよう、チェックリスト形式で置いておきます。
ANAカードの種類・年会費・ボーナス・移行手数料を網羅した比較資料
JALカードの搭乗ボーナス積算条件(入会日以降、対象外運賃の注意)