eMAXIS Slim 全世界株式 オール・カントリーの特徴と分散投資のメリット

eMAXIS Slim 全世界株式 オール・カントリーの特徴と分散投資のメリット

eMAXIS Slim 全世界株式 オール・カントリーの特徴と魅力

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基本情報
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世界47ヶ国への分散投資

日本を含む先進国と新興国の株式市場に幅広く投資できる商品です

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低コスト運用

信託報酬率は0.05753%と業界最低水準を実現

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MSCIオール・カントリー・ワールド指数に連動

世界の株式市場の約85%をカバーする8,500社以上の企業に投資

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、三菱UFJ国際投信が運用するインデックス型の投資信託で、投資家の間では「オルカン」という愛称で親しまれています。この投資信託の最大の特徴は、その名の通り全世界の株式市場に分散投資できることです。

 

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動することを目指しており、日本を含む先進国から新興国まで、世界47ヶ国の株式市場に投資することができます。これにより、特定の国や地域の経済状況に左右されにくい、安定した資産形成が可能となります。

 

実際の運用では、3つのマザーファンドに分割して投資されています。

  • 新興国株式インデックスマザーファンド
  • 日本株式インデックスマザーファンド
  • 外国株式インデックスマザーファンド

この構造により、世界の株式市場の約85%をカバーする8,500社以上の企業に一括投資することができるのです。

 

eMAXIS Slim 全世界株式の平均利回りと長期投資の効果

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の過去のパフォーマンスを見ると、長期投資の効果が顕著に表れています。2025年3月時点での過去5年間の平均リターンは約18.23%となっており、安定した成長を示しています。

 

この投資信託の大きな特徴として、分配金を出さないことが挙げられます。これにより、複利効果を最大限に活かした効率的な資産形成が可能になります。分配金が自動的に再投資されることで、長期的な資産の成長が期待できるのです。

 

長期投資の観点からは、市場の短期的な変動に左右されず、世界経済の成長を取り込むことができる点が大きな魅力です。世界経済は人口増加などを背景に持続的な成長を続けており、長い目で見れば株式は世界の成長を捉える資産と言えます。

 

eMAXIS Slim 全世界株式の組入銘柄と投資先の割合

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の投資先を見ると、2025年2月時点での地域別の投資割合は以下のようになっています。

  • 国内株式:4.8%
  • 先進国株式:85.1%
  • 新興国株式:10.1%

特に注目すべき点として、投資先の半分以上が米国企業であり、組入上位銘柄にも米国のテクノロジー企業が多く含まれています。主要な組入銘柄には以下のような企業があります。

銘柄名 業種
MICROSOFT CORP 情報技術
APPLE INC 情報技術
NVIDIA CORP 情報技術
AMAZON.COM INC 一般消費財・サービス
META PLATFORMS INC コミュニケーション・サービス
ALPHABET INC コミュニケーション・サービス
ELI LILLY & CO ヘルスケア
TESLA INC 一般消費財・サービス
BROADCOM INC 情報技術

このように、世界的に有名な大企業に投資できることも、この投資信託の魅力の一つです。特に情報技術セクターの比重が高く、現代のデジタル経済の成長を取り込む構成となっています。

 

eMAXIS Slim 全世界株式とS&P500の比較分析

投資信託を選ぶ際に、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のどちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。両者の違いを理解するために、比較分析をしてみましょう。

 

前述の通り、全世界株式の投資先の半分以上は米国企業であるため、両者の基準価額の動きは似ている傾向があります。しかし、過去のパフォーマンスを見ると、米国株式(S&P500)の方がやや上回っていることがわかります。これは、米国市場が他の国よりも早く回復し、指数の最高値更新が早かったことが要因として考えられます。

 

選択のポイントは以下のようにまとめられます。

  • 米国株式(S&P500)が適している人
    • 米国経済の成長に特に期待している
    • 多少のボラティリティ(価格変動)があっても高いリターンを狙いたい
    • 米国の優良企業に集中投資したい
  • 全世界株式(オール・カントリー)が適している人
    • 米国以外の先進国や新興国も含めた全世界の成長を取り込みたい
    • 投資する国・地域を分散してリスクを抑えたい
    • 一つの国に依存しない投資戦略を取りたい

    リスク分散の観点からは、一つの国だけに投資するよりも、全世界株式に投資する方が安定した資産形成が期待できます。

     

    eMAXIS Slim 全世界株式のオールカントリーと除く日本の違い

    eMAXIS Slim 全世界株式シリーズには「オール・カントリー」と「除く日本」の2種類があります。この2つの投資信託は非常に似ていますが、投資対象に日本が含まれているかいないかという点で異なります。

     

    2025年2月時点での両者の投資割合の違いは以下の通りです。

    銘柄名 国内株式 先進国株式 新興国株式
    eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 4.8% 85.1% 10.1%
    eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) - 89.4% 10.7%

    過去5年間の平均リターンを比較すると。

    • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):18.23%
    • eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本):18.49%

    このように、パフォーマンスに大きな差はありません。しかし、運用コストには若干の違いがあります。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬率は0.05753%、「除く日本」は0.05764%となっています。この差は純資産総額の違いによるもので、「オール・カントリー」の方が純資産総額が大きいため、わずかに低コストとなっています。

     

    投資信託だけで資産形成を完結させようとしている方には「オール・カントリー」がおすすめです。どの国の株式が良いパフォーマンスを示すかは予測困難であり、日本も適切な割合で投資対象に含めた方が分散投資の観点からは理想的です。

     

    eMAXIS Slim 全世界株式の積立投資シミュレーションと実践戦略

    eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を活用した資産形成の具体的な方法として、積立投資は非常に効果的です。少額から始められるため、初心者にも取り組みやすい投資方法と言えるでしょう。

     

    多くの証券会社では、100円から積立投資が可能となっています。例えば、毎日のコーヒー代や、コンビニで買うおやつの代わりに、500円や1,000円を積み立てる感覚で始めることができます。積立頻度は「毎日」または「毎月」から選ぶことができ、自分のライフスタイルに合わせた投資が可能です。

     

    積立投資のメリットは、一度設定すれば自動で投資信託を買い付けてくれることです。忙しい日常の中でも、継続的に資産形成を進めることができます。また、ドルコスト平均法の効果により、市場の上下に関わらず平均的な価格で購入できるため、タイミングを計る必要がありません。

     

    実際の積立投資の効果を見るために、シミュレーションを考えてみましょう。例えば、毎月10,000円を10年間積み立てた場合。

    • 投資総額:120万円(10,000円×12ヶ月×10年)
    • 年平均リターン:8%と仮定
    • 10年後の資産:約1,745,000円

    このように、複利効果と長期投資の力により、投資総額を大きく上回る資産形成が期待できます。特にNISA(少額投資非課税制度)を活用することで、税制面でのメリットも享受できます。

     

    積立投資を実践する際のポイントは以下の通りです。

    1. 無理のない金額から始める
    2. 長期的な視点を持つ
    3. 市場の短期的な変動に一喜一憂しない
    4. 可能であればNISAなどの非課税制度を活用する
    5. 定期的に投資状況を確認するが、頻繁な売買は避ける

    このような戦略で、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を活用した長期的な資産形成を目指しましょう。

     

    eMAXIS Slim 全世界株式投資における意外なデメリットと注意点

    eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は多くのメリットがある一方で、あまり語られないデメリットや注意点も存在します。投資判断をする前に、これらの点もしっかりと理解しておきましょう。

     

    まず、全世界株式に投資するということは、成長率の低い国や地域にも投資することになります。例えば、高成長が期待できる米国株式だけに投資する場合と比較すると、全体的なリターンが抑えられる可能性があります。実際に過去のデータを見ると、米国株式(S&P500)の方が全世界株式よりもパフォーマンスが良い時期もありました。

     

    また、為替リスクも考慮する必要があります。全世界株式は様々な国の通貨に投資することになるため、円高になると外国株式の円換算価値が下がり、パフォーマンスに影響します。特に新興国通貨は変動が大きい傾向があるため、その影響を受ける可能性があります。

     

    さらに、投資家があまり意識していない点として、指数の構成変更があります。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは定期的に見直されるため、国や地域の比率が変わることがあります。これにより、意図せず投資配分が変わる可能性があるのです。

     

    最後に、全世界株式は非常に多くの銘柄に分散投資するため、一部の優良企業の大幅な成長による恩恵が薄まる可能性があります。例えば、テスラやエヌビディアのような急成長企業の株価が大きく上昇しても、全体のポートフォリオに与える影響は限定的です。

     

    これらのデメリットは、投資の失敗を意味するものではなく、投資判断をする際の考慮点として捉えるべきでしょう。自分の投資目標やリスク許容度に合わせて、全世界株式と他の投資商品をバランス良く組み合わせることが重要です。