

SFCは「持てば一生安泰」というイメージが先行しがちですが、実務的には毎年の固定費(年会費+必要ならポイント移行手数料)をどこまで許容できるかが最初の分岐点になります。ANA公式のSFCページでは、一般(JCB/VISA/マスター)本会員11,275円、ゴールド16,500円、ダイナース30,800円、アメックス34,100円、さらに上位クラスとしてJCB 77,000円やVISA 96,800円など、クラスとブランドで年会費が大きく変わることが明記されています。年会費だけ見て「高い・安い」を判断すると、移行手数料や換算率の違いで実質コストが逆転することがあるため、マイルの貯め方まで一緒に設計する必要があります。
特に一般カード(JCB/VISA/マスター)の場合、「マイルに移行するのに年額手数料が必要なコース」があります。ANA公式では、一般SFCのマイル移行手数料はJCBが10マイルコース5,500円、VISA/マスターが2倍コース6,600円と示されています。一方でSFCゴールドは移行手数料が無料で、換算率もJCBが1,000円=1ポイント=10マイル、VISA/マスターが200円=1ポイント=2マイルと書かれており、日常決済でマイルを積む人ほど「一般+手数料」より「ゴールド+手数料ゼロ」のほうが気持ちよく運用できます。
ここで大事なのは「年会費の差額を、移行手数料・換算率・自分の決済額で回収できるか」です。例えば、一般SFCで2倍コースを選ぶ前提なら、年会費に加えて毎年6,600円の移行手数料が発生する可能性があります。そうすると、単純に“表面の年会費”だけで一般が得と結論づけるのは危険です。さらに、SFCは「お1人様1枚のみ」「ブランド変更は旧カード退会が必要」など運用上の制約も公式に記載されているので、最初にブランドを決めておくのが結果的に損を減らします。
参考:年会費の公式QA(VISA系の割引後年会費も掲載)
三井住友カードFAQ:スーパーフライヤーズカードの年会費一覧(基本年会費・割引後年会費)
「ラウンジや優先搭乗などのSFC特典は、一般でもゴールドでも同じなのか?」という疑問は検索上位でも頻出ですが、結論から言えば“会員ステータス由来の特典”と“カードグレード由来の特典”が混ざっているのが混乱の原因です。SFCで得られるのは、ANAプレミアムメンバーに紐づくサービス(ラウンジ等)を“維持できる状態”であり、カードとしての付帯保険やポイント周りはカードのグレードで差が出ます。ANA公式のSFC案内では、一般SFCは国内旅行傷害保険が付帯されない旨が注意書きとして書かれており、「旅行保険を重視するなら一般より上位」という判断が生まれます。
一方で、マイル面の違いはかなり現実的です。公式ページには、一般(JCB/VISA/マスター)のフライトボーナスマイル積算率が35%と記載され、ゴールド以上は表の構成が異なりますが、少なくとも「一般でもフライトボーナスがある」ことが明確です。加えて、一般は移行手数料がコース次第で発生するのに対し、SFCゴールドは移行手数料無料で換算率が高い形で整理されているため、「飛行機に乗るより日常決済で貯める」タイプほどゴールドの満足度が上がりやすいです。
検索上位の比較記事では、ブランドごとの差として「ANA航空券購入時の還元が一部ブランドで高い」など実用的な差分も挙げられています。例えば比較記事の一例では、ANAアメックスゴールドがANA航空券購入で3.0%還元になる、という整理がされています(一般的な“通常決済1.0%”とは別軸の話)。ただしこれは各社のポイント制度・移行レート・キャンペーンで見え方が変わるため、最終的には「ANA航空券決済が多いか」「普段の固定費決済が多いか」で軸を2本立てにして判断するのが安全です。
参考:SFCの基本仕様(年会費・換算率・切替注意点の一次情報)
ANA公式:スーパーフライヤーズカード(年会費、換算率、切り替え注意点)
SFCを検討する人に見落とされがちなのが、家族カードの設計です。ANA公式では、家族会員は「本会員と生計を同一にする配偶者・ご両親・お子様(18歳以上)」であれば、年間の搭乗実績にかかわらず申し込み可能と明記されています。つまり、修行(プラチナ到達)をやるのは基本的に本会員だけで、家族は家族カードで“同じ世界”に乗せる設計が可能です。
ただし家族カードは、年会費がカードグレードで大きく変わります。ANA公式のSFC年会費表では、一般(JCB/VISA/マスター)家族5,610円、ゴールド8,250円、ダイナース11,550円、アメックス17,050円など、積み上げると家族人数によっては「本会員のグレードアップより、家族カードのグレード調整」のほうが効く場合があります。例えば、夫婦でそれぞれ家族カードを持つのか、片方は同伴(SFC会員の同行者枠)で運用するのかで、毎年の固定費が変わります。
ラウンジ活用に関しては「同行者が何人入れるか」が体験価値を左右します。一般的にSFC会員はラウンジに同行者を連れて入れるケースが多いですが、家族が3人以上になると“同行者1名まで”の制約がボトルネックになりやすく、家族カードを追加する理由になります(旅行頻度が高い家庭ほど影響が大きいです)。この論点は検索上位にも散発的に出ますが、カード比較の表では埋もれやすいので、家族構成と旅行人数で先にシミュレーションしておくと失敗が減ります。
プレミアム(超上位)に行くべきかは、年会費だけでなく「運用上の柔軟性」の観点が重要です。ANA公式には、SFCはお1人様1枚のみで、異なるブランドへ変更する場合は現在のSFCを退会する必要がある、と明記されています。つまり「とりあえずこのブランドで始めて、あとで気軽に切り替える」という運用がしづらく、最初のブランド選定が将来コストに直結します。
また、切り替え・新規発行の扱いも落とし穴です。公式ページには、既存カードからSFCへの切り替えは新規入会扱いになること、特定の提携カード(Suica一体型など)からはSFCの用意がなく、新規発行でAMC番号が変わる可能性がある、といった注意が列挙されています。これはポイント移行・各種登録(公共料金、サブスク、ECサイト)を大量に紐づけている人ほど影響が大きいので、比較記事が触れない“実務の面倒さ”として先に知っておく価値があります。
さらに、上位クラスは家族カード年会費が「無料(4枚まで)」のブランドがあるなど、家族運用の設計が根本から変わる場合があります。ANA公式では、アメックスの上位クラスで家族会員が無料(4枚まで)と明記されているため、家族が多い場合は「本会員の年会費は高いが、家族カード込みで見ると合理的」という逆転が起きえます。こうした“総額最適”は、検索上位の単純比較(本会員年会費だけ比較)では見落としやすいポイントです。
検索上位の「おすすめランキング」は、どうしても特典の派手さ(ラウンジ、保険、付帯サービス)で語られがちです。けれど、SFCは「長期保有が前提」になりやすいカードなので、独自視点としては“固定費をどう回収するか”を、家計・事業の決済設計に落とし込むのが現実的です。具体的には「マイル移行手数料が発生するグレードを選ぶなら、手数料を払ってでも移行する年だけにする」「移行不要の年はポイントのまま寝かせる」など、年度ごとの戦略が取れます(制度上可能な範囲で)。
また、SFCの価値は「飛行機に乗る日」だけでなく「乗らない日の意思決定」にも表れます。例えば、年会費が高いカードほど“使わなきゃ損”という心理が働き、旅行頻度が落ちた年でも解約しづらくなることがあります。ここで重要なのは、SFC特典を維持したいのか、カードのグレード特典まで維持したいのかを分離して考えることです。SFCの核(会員としての便益)と、クレカとしての便益(還元・保険・家族カード条件)を切り分けると、「一般で維持して必要な年だけ上位にする」「家族カードの都合で上位に寄せる」など選択肢が増えます。
最後に、数字での目安を作ると判断が早くなります。たとえば、一般SFCを“高還元コース運用”するために移行手数料が毎年かかるなら、その分を含めた年会費相当額を、航空券決済・日常決済で回収できるかを年1回点検するのが現実的です。ANA公式情報は年会費や換算率、切り替え注意点まで一次情報として揃っているので、「検索上位のまとめ」ではなく公式表を起点に、自分の決済額で検算してから申し込むのが安全です。
参考:比較の軸(年会費・ポイント移行・換算率)を一次情報で確認
ANA公式:SFCの年会費・換算率・切替注意点