

1655と2558は「どちらが低コストか?」が最初の比較ポイントになりがちですが、まず公式データとしてJPXのETF概要資料では、1655の信託報酬(税込)は0.066%と示されています。
同じくJPXのETF概要資料では、2558の信託報酬(税込)も0.066%(2025年9月6日以降)と明記されており、少なくとも表面コストは同水準です。
一方、個人ブログ等の比較記事では「実質コスト」という言葉で、信託報酬以外の費用も含めた差を示すことがあります。
参考)【S&P500国内ETF】1655と2558を比較して、どっ…
ただし実質コストは、算出期間や参照資料(運用報告書など)で変わり得るため、比較するなら“同じ期間・同じ基準”で揃えることが重要です。
ここで見落としやすいのが「指数の定義の違い」です。1655の対象指標はS&P500®(税引後配当込み、TTM、円建て)で、税引後配当込みの指数である点が資料内に説明されています。
一方2558はS&P500®指数(円換算値)との連動を目指すETFとされ、対象指標の説明が1655と完全一致ではありません。
この“指数の作り”の違いは、長期では小さな差に見えても、分配金や税の扱いが絡む局面で「同じS&P500なのに感覚がズレる」原因になり得ます。
参考:二重課税調整制度の背景(制度趣旨の理解に有用)
東証マネ部!:二重課税調整制度の導入背景と仕組み
参考)2020年に東証上場外国株ETF・外国債券ETFに適用された…
分配金まわりは「金額そのもの」より、まず“支払基準日(決算タイミング)”の違いを押さえると実務で迷いにくいです。
JPX資料では、1655の分配金支払基準日は毎年2月9日・8月9日(年2回)と示されています。
同じくJPX資料では、2558の分配金支払基準日は毎年6月8日・12月8日(年2回)と示されています。
「年2回」という回数は同じでも、入金月がズレるだけで、生活費補填・再投資・税金見込み(特定口座の源泉徴収など)の体感が変わります。
またJPX資料では、1655の直近12か月の1口あたり分配金は6.4円、分配金利回り0.99%と記載されています。
2558は直近12か月の1口あたり分配金256円、分配金利回り1.00%と記載されており、数値だけ見るとかなり近い水準です。
ここでの注意点は、分配金利回りが「直近12か月の実績分配金」と「作成日の終値」等を元に算出されるという注記がある点です。
つまり、利回りが高い=将来も高い、ではなく、指数の配当環境・為替・ETFの価格水準で“簡単に見た目が変わる指標”と理解しておくのが安全です。
長期保有でも短期売買でも、「売りたい時に想定コストで売れるか」は重要で、その目安として純資産総額やマーケットメイク制度の対象かどうかが使われます。
JPX資料では、1655の純資産総額は1,268億円と示され、東証マーケットメイク制度の対象銘柄と記載されています。
同じくJPX資料では、2558の純資産総額は878億円と示され、こちらも東証マーケットメイク制度の対象銘柄です。
マーケットメイク制度は、マーケットメイカーが気配提示で流動性を提供する仕組みである旨がJPX資料内に説明されています。
このため、単純に「出来高が多い方が正義」と決め打ちせず、“制度的にスプレッドが極端に広がりにくい設計か”も同時に確認するのが合理的です。
意外と知られていない実務ポイントとして、純資産の大小は安心材料になりやすい一方で、極端な相場変動時には「気配はあるが希望価格から離れる」こともあるため、指値の使い分けが効きます。
特に国内ETFは、投資信託のように“1日1回の基準価額でしか売れない”商品ではないため、板の厚み・気配の連続性を見て執行方法を調整できるのが利点です。
少額からの始めやすさ、積立の刻みやすさでは「売買単位」と「1売買単位あたりの投資金額」が効いてきます。
JPX資料によると、1655は売買単位が10口単位で、1売買単位あたりの投資金額は6,446円(2025年6月30日時点の資料)と記載されています。
一方、2558は売買単位が1口単位で、1売買単位あたりの投資金額は25,620円(同じく2025年6月30日時点の資料)と記載されています。
この差は「月1万円の積立」や「相場が荒れたときに分割で買う」など、実際の運用行動に直結します。
加えてJPX資料では、1655も2558もNISA制度の成長投資枠の対象と記載されています。
NISA枠で買う場合、課税口座と違って“税の調整”の意味合いが変わることがあるため、制度の前提を理解してから商品比較をすると判断ミスが減ります。
参考)S&P500で配当狙いなら国内ETFで二重課税調整対象の16…
参考:二重課税調整が課税口座で語られやすい理由(NISAとの切り分け)
S&P500投資と二重課税調整(課税口座・NISAの注意点)
比較記事では「信託報酬が安い方」「純資産が大きい方」になりがちですが、実務で差が出やすいのは“分配月と再投資設計”です。
1655は2月・8月、2558は6月・12月に分配金支払基準日が設定されているため、「ボーナス月に合わせたい」「年末に現金を厚くしたい」など家計側の要件に合わせて選ぶという発想が成り立ちます。
さらに、課税口座で分配金を受け取る場合、外国税と国内税が二重にかかり得る点が論点になりますが、国内ETFの一部では二重課税調整が自動的に行われる制度があることが解説されています。
参考)国内ファンドの二重課税の調整 分配時調整外国税相当額 | 税…
この制度面の理解が浅いと、「米国ETFの方が経費率が低いから常に有利」と短絡しやすい一方、実際には手続き負担(外国税額控除の要否)や分配金の受取効率で体感が変わる、という指摘もあります。
つまり、1655 etf 2558 比較は“商品スペックの勝敗”というより、①どの口座(NISA/特定/一般)で、②分配金をどう扱い(再投資/生活費/現金比率調整)、③どの頻度で買い増すか、の設計問題として見ると選びやすくなります。
最後に、検索上位でも触れられやすい論点として「1655と2558は結局どっち?」への答えは、同じ指数に近い値動きを狙う商品同士だからこそ、“投資金額の刻み(売買単位)”と“分配月の都合”で決めるのが現実的です。
(文字数調整のための水増しはせず、比較検討で実際に迷いがちな論点=信託報酬、分配金、純資産、売買単位、税制(制度理解)に絞って深掘りしました。)